手延そうめんとは?
手延べは製造工程が特殊で手間が掛かるため、機械と比較すると値段が高くなります。
しかし、滑らかな食感が特徴で、そうめんが食べたいなぁと思ったら、手延べ素麺を買えば間違いありません。
手延そうめんは、まず小麦粉に食塩水を加え、よくこねて麺生地を作り、太く棒状にした生地を切ることなく2本の竿に掛けて丁寧に引き伸ばし、束ねてまた伸ばすを繰り返して細い素麺に仕上げていきます。 これが播州地方に600年も前から続く、伝統的な製法なんですね。
麺が途中で切れてしまわないように、縒(よ)りをかけながら引き延ばします。 そしてねかし(熟成)て、また延ばす。 「揖保乃糸」は、この工程を何度も繰り返して作られ、製品になるまで11工程かかるそうです。
一方、機械式のそうめんは、機械でこねた生地を帯状に伸ばしてから細く切って乾燥させます。
比べてみれば、かかる手間は一目瞭然!
これだけ丹念に作られるからこそ、はりま製麺の揖保の糸はコシがあっておいしい素麺になるのでしょうね。
厄(やく)現象とは?
専用の保管倉庫でじっくりと熟成中のそうめんは、
高温・多湿の梅雨時期に小麦粉内に含まれる酵素が働き、
そうめん内の脂質が変化していきます。
これがそうめんのデンプンや蛋白質に影響を与え、
そうめんのコシや舌ざわりがさらに滑らかになると言われています。
この現象のことを厄(やく)と呼ぶそうです。
ゆで伸びしにくくコシがあって、歯切れのよい食感は、
この厄(やく)と呼ばれる現象のおかげだったんですね。